陶器と磁器のこと

by staffbob

今回は陶芸作家さんの作品やヴィンテージ花器など、当店でもお取り扱いさせていただいております陶器と磁器について、その特徴を少しお話させていただきます。

ー陶器についてー

まず陶器とは「土もの」ともいわれ、自然原料である粘土(陶土)を主体に用いて800~1300℃で焼かれ、釉薬のかかった器を指すのが一般的です。

釉薬は素地の表面をガラス質で覆ってくれますので、水漏れや汚れを防ぎ、作品自体の強度を高めてくれます。また、釉薬に鉄や銅を混ぜることで様々な色彩の陶器を生み出してきました。

日本では、中世以降になると様々な薪の灰を燃料とし、その土地でとれる長石を砕いて水で溶き、釉薬として使うようになります。

焼きものはガラス質を多く含むほど素地が水を吸いにくくなり、吸水率が低くなりますが、陶器は長石や珪石などのガラス質が磁器と比べると少ないため吸水率が高くなります。

陶器は「熱しにくく冷めにくい」と言われています。

焼かれた後も気孔を多く含み、その空気が断熱材となり器の中に熱いお湯を入れても手で持って飲めます。

日本の伝統的な食器に取手が付いていないのは元々が陶器の国だからです。

また陶器は粘土を主成分とするため焼いた後の表面は鉄分などによって色がつきます。土の成分によって色の出方が変わるため、これによって土地土地の焼き物の個性にも繋がっています。

 

ー磁器についてー


磁器は「石もの」といわれ、主原料に陶石を細かく砕いた粘土(30%)、ガラスの材料である珪石(40%)、ガラスを溶かす材料の長石(30%)で調合され、高温帯1200~1400%で焼かれたものです。

釉薬は素地の白色をいかすために透明の釉薬が使われることが多く、たとえば白磁(はくじ)であれば素地の白さを損なわないよう無色透明の釉薬がかかっています。中には色釉をつかった作品もありますが、素地が陶石であれば磁器ということになります。

磁器は長石や珪石と鉄分の少ない粘土を用いるため白い肌が生まれ、土器や陶器に比べて吸水性がありません。

そして高温で焼き締まっているため頑丈です。「石もの」とも言われ、同じ厚さの陶器とくらべるとより硬く、爪で軽く弾くと「チン」と高い音がします。

陶器は逆に鈍い音がしますので是非試してみてください。


また、薄手の磁器を日にかざすとうっすらと太陽光を通します。

この透光性がある点も磁器の特徴です。

 陶器も磁器もそれぞれその土地から得た自然燃料を元に、作家さんによって多種多様な表現の作品を生み出してきました。

特に日本の器に対する美の視点には、隙のない完成されたものではなく、素朴で儚く移り変わるものへの美しさ「わび・さび」のこころがあります。

流行りや知名度などではなく、 ふと目が会った作品から発する何かを感じて手に取り器選びをするのも醍醐味ですね。

気に入った器を日々使い、洗って、飾ることで会話をするように生活が豊かになっていく気がします。

当店でも個性豊かな陶磁器作家さんたちの作品を展示販売しておりますので、お気に入りの器を見つけに、是非ご来店お待ちしております。

 

 

  

 

 


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